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石膏ボードの行方

平成最後の年、各地に甚大な被害を引き起こす自然災害が相次いで発生しました。被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧と復興をお祈り申し上げます。

 

さて今回は「石膏ボード」。身近にありながら、あまり耳にしない言葉のひとつかもしれません。住宅の壁材や天井・床材等に使用されることも多い建材であり、日々 私達を「取り囲んでいるモノ」です。

石膏ボードは、石膏を主成分とした素材を板状にして、特殊な板紙で包んでいます。安値ながら非常に丈夫、断熱・遮音性が高いのが特長。ですが、ネジやクギを打つと穴が崩れてくること、また廃棄する場合には、環境問題の側面から、紙と石膏の分別処理を行った上でのリサイクルが必要となることが難点です。

 

実は、廃棄物となった石膏ボードの処理を巡って、九州では事件が発生し問題になっています。事件が発覚したのは2014年8月のこと。

佐賀県の廃石膏ボード処理業者 ㈱北斗が委託した者が、適切な処理をせずに、鹿児島県内の山中に不法投棄したのです。砕いた廃石膏ボードが、約80個の袋に入れられて地中に埋められていたといいます。その量は実に、100tあまり。

その当事者は逮捕され、裁判の判決後、2017年2月に全量撤去の措置命令が出されているにも関わらず、撤去は進まず、約4年の月日が流れた今年7月。

鹿児島県は、当初 石膏ボードの産廃処理を依頼した各事業者(約500社)に対して、不法投棄の撤去方針とその説明会開催について通知。不法投棄された廃石膏ボードの撤去の責任の所在は、各業者に移ったと。これは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」に基づく「排出事業者責任」が問われているといいます。

鹿児島県から各事業者には、個別による自主撤去・共同処理にかかる費用負担・その他、いずれかを行うように短期限で回答を求めました。期限までには約半数の事業者から回答があったものの、明確な撤去処理を示したのは対象事業者の約3割にとどまっているそうです。今回のケースでは、排出事業者にとっては、費用が二重払いとなる上に、しかも廃棄物は長年放置されているので、再生不可能、処理費用も増加しているとのことです。

 

今後 各事業者の説得等、またそこから実際の撤去に移るまでは相当 時間を要する問題となっています。その間も廃棄物となった石膏ボードは放置されることとなり、環境影響が懸念されます。(「Net IB News『どうなる?(株)北斗産廃不法投棄問題』」より)

廃棄物の処理では「排出事業者責任」が問われるんですね。「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」(廃掃法 第3条)と規定されています。「次の業者に任せたから大丈夫」とは安易に言えないようです。

 

さて、今回の問題となっているような、長期間放置されたものは難しいですが、弊社の製品では、廃石膏ボードから効率よく石膏粉と紙を分別提供する、「石膏ボード分別機」がございます。

操作はボタンひとつで、運転状態もわかりやすく表示します。磁力選別機・定量供給制御・高速回転選別機・振動フルイ機等で処理を行いながら、紙と石膏、そして残渣に分離します。投入口や搬送経路接続口、排出口を大型集塵機で集塵を行いますので、作業環境は快適に保たれます。

 

次の世代に少しでもつながるよう「持続可能な社会づくり」を、鎌長製衡も製品を通じて取り組んでおります。

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